知り合いの不幸女が、いつの間にかカレーソース女になってた
私の知り合いに「Hちゃん」という女の子がいた。
私が、水商売の仕事してた時に知り合った女の子だ。
彼女はいつもダメ男にばかり引っかかる、典型的な馬鹿女だった。
しかもダメ男のレベルが一桁違っていた。
Hちゃんのダメ男エピソード☆
Aさんとの結婚生活編
- 結婚して入籍までしていたのに、他の女に奪われる形で、突如として一方的に離婚された。
- しかしその後、Aさんから「仕事をやめて生活できない…Hしか頼れる相手がいない…」と言われ、とりあえず仕事を再開するまでという約束で、何故か生活費を送金することになった。
- しかしその生活費は、パチンコ代として消費されたり、他のニートの友達に貸したりしていたことが後に判明した。
ホストのBさんと付き合っていたとき編
- Bさんはエブリデイ浮気生活だったが、Hちゃんが浮気するとすぐボコボコにした。
- 顔面が二倍にふくれあがるほどボコボコにされ、警察沙汰になったことまであった。
- Hは骨折してるのに、Bがそのときの気分で「スノボーしたい」と言い出し、強制で連れてかれたことがあった。
-
HとBと、Hの親友であるEちゃんという女の子の三人でお泊まりオールしたとき、BはEに手を出そうとした。さすがに拒否られてた。
そんな彼女だったが
去年くらいに何故か突然、すごくまともな彼氏ができた。
出会いは美容師さんとその客の関係。
仮にCさんと呼ぶことにしよう。
Cさんはとても素敵な男性だった。
素敵というか、ただ普通のことを普通にしてくれるだけの人なんだけれども……
Cさんは、束縛は一切しなかった。
もちろんボコボコにもしてこない。
まずそもそもキレない。
感情的にならない。
Hがどれだけ感情的になって泣きわめいても、ただ冷静に見守ってくれるのだ。
そして、最近ついに二人は結婚することになった。
今日私は、たまたまHと電話をしていた。
そのとき、冗談まじりにこんな会話をした。
「最近のHからは微笑ましいエピソードしか聞こえてこなくて、お兄さん寂しいよ。昔のエブリデイ不幸だったHはどこにいったの」
「www 言われてみればそうだねー」
「ちょっと、最近一番不幸だった話を言ってご覧なさいよ」
「えー?」
彼女は少し悩んだ末、こう返した。
「うーん、こないだCが『カレーは一晩煮込んだのが一番おいしい』って言うから、前日の夜から仕込んでカレーを作ってあげたの。そしたらあいつ……。一口も食べないうちからソースかけやがったの!! それで私がすごい怒って、ケンカになったことくらいかなぁ」
……(^o^)?
最大不幸が?
カレーに?
ソース?
はああぁああぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!?
「あんた、ふぬけちまったよ!!」
「えwww」
「世の中にはなぁ! あんたより不幸な人がたくさんいるんだよ!! わかってんのかよ!!」
「えーーー!」
「俺が何を言ってるかわからねえかぁ? わからねえってんなら、一年前の自分の心に問いかけてみろやあぁぁぁぁっ!!」
「wwwwwwww」
そして私は電話を切った。
最後の最後まで、「このふぬけ野郎がっ!」と何度も何度も罵声を浴びせてやった。
こんなふぬけ野郎には、あと二万回くらい言ってやったって、足りないくらいだ。
私は電話を切った直後、誰に言うわけでもなくひっそりと、ひとりごとのように
「……おめでとう」と呟いた。