世の大人達が間違って使ってる五つの名言(´・_・`)

 本来の意味とは、間違った意味で広まってしまっている名言。

 そういうものを集めてみました。

 

 

 1.「天才は1%のひらめきと99%の努力」

 byエジソン

 

 これは誤解として有名ですね。

 日本ではよく「努力が大事」という意味で使われていますが、実際エジソンさんが語っていたのは、

 「どんなに努力しても

 1%の閃きが無ければ全て無駄だよ(´・_・`)」

 というものでした。

 

 努力はもちろん重要ですが、努力さえすればそれでいいわけじゃないんです。

 努力とは、ただのスタート地点に過ぎないということですね。

 

エジソン 魔術師といわれた発明王 (学習漫画 世界の伝記)

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 2.「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」

 byデキムス・ユニウス・ユウェナリス

 

 これも有名な誤解ですね。

 

 ユウェナリスさんが本来語っていたのは……

 「健全な魂が健全な肉体に宿ってくれればいいのに(´・_・`)

  世の中そうじゃないやつばっか(´・_・`)」

 というお話でした(´・_・`)

 少なくともユウェナリスさんは、健全な肉体には健全な魂が宿ってないことのほうが多いと感じていたようです。 

 

ローマ諷刺詩集 (岩波文庫)

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 3.「天は人の上に人をつくらず」

 by福沢諭吉

 

 この言葉はこの一文で完結しているわけではありません。

 本当はこの後に、こう続きます。

 

 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず……と言われている。

 人は生まれながら貴賎上下の差別ない。

 けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。

 その違いは何だろう?

 それは甚だ明らかだ。

 賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。

 人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ」

 

 つまり意訳すると……

 

 「天は人の上に人を作らずっていうけど、実際はそんなことないよね? 世の中って不平等だよね? じゃあどうして不平等になるのか? それは、勉強する人と、しない人がいるからだよ☆」

 

 っと言ってるのです。

 

 福沢諭吉さんは「人はみな平等だ!」等とは、ちっとも言っていなかったんです。

 むしろ現実はその逆なのだから、「みんなもっと勉強しないとダメだお(´・_・`)」とおっしゃられていたのです。

 

 ちなみに、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という言葉自体は、アメリカ合衆国の独立宣言の一文です。

 福沢さんはそれを引用しただけで、別に彼が考えた言葉ではないんですね(´・_・`)

 

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

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 4.「お客様は神様です」

 by三波春夫

 

 これを最初に言ったとされるのは演歌歌手の三波春夫氏ですが、

 彼が本来語っていた言葉は以下のものです。

 

 「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な藝をお見せすることはできないのです。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです」

 「お客様は神様です」について

 

 上記を見てわかる通り、三波氏はけして、買い物客の言うことを何でも聞かなければいけないという意味でこの言葉を使っているわけではありません。

 ただ、歌うときの心構えとして、「雑念を取り払い、精神を集中する」という話の例えとして、お客様を神様のように見立て、それに祈るような気持ちで歌っていると話しているだけです。

 しかし世間では全く違う意味で広まってしまっていました。

 あまりに本人の意図とかけ離れた形で広まり過ぎてしまったため、三波氏のオフィシャルサイトでは以下のようにつづられています。

 三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのです。

 大体クレーマーたるや、「お客様」と「様」を付けて呼んで貰えるような人たちではないと思います。サービスする側を 見下すような人たちには、様は付かないでしょう。

 三波春夫の舞台を観るために客席に座る方々の姿は、『三波の歌を楽しもう、ショウを観てリフレッシュしよう』と、きちんと聴いてくださった「お客様」だったのです。

 「お客様は神様です」について

 

 クレーマーなんて、「お客様」などと

 「様」をつけて呼んでもらえるような人ではない。

 

 ……ハッキリ言っちゃいました(゚Д゚)

 

三波春夫スーパーベストアルバム

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 5.「人は見た目が六割」

 就職活動本や自己啓発本でよく言われているやつですね。

 これは「メラビアンの法則」という心理学実験が、誤解されて広まってしまった例です。

 

 人間のコミュニケーションにおいて、話し手が聞き手に与える印象は、

 見た目・身だしなみ・しぐさ・表情などが55%

 声の質(高低)・大きさ・テンポなどが38%

 話す言葉の内容が7%

  だからやっぱり見た目が大事。

 身だしなみを整えましょう。

 茶髪をやめましょう。

 スーツをきちんと着こなしましょう

 というわけですね。

 

 しかし実際にメラビアン博士が行った実験内容は少し違いました。

 彼が検証したのは、【「表情」と「言葉」の内容が矛盾していた場合、人間はどちらを優先して受け止めるか?というものでした

 

 例えば、

 笑顔の人から「大嫌い」と言われたり、

 しかめっつらの人から「大好き」と言われた場合、

 言われた側は、その相手の言葉を「好意」と受け止めるか?

 それとも「嫌悪」と受け止めるか?

 そういう実験でした。

 

 この実験は、言葉の内容と表情(もしくは声質)が矛盾している場合、聞き手は言葉と表情のどちらに重きを置くだろうかということを検証するためのものでしかなかったのです。

 反社会学講座 第9回 ひきこもりのためのビジネスマナー講座

 

この内容が次第に一人歩きをし、この法則から「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」という結論が導き出されると言う解釈が有名になっている。

 就職活動の面接対策セミナー、営業セミナー、自己啓発書、話し方教室などでこの解釈がよく用いられる。 

 メラビアンの法則 - Wikipedia

 

 心理学者のメラビアン博士は、後年、

 「コミュニケーションで内容が5%しか伝わってないわけないじゃん!!(´・_・`)」

 と謝罪するはめになったそうです。

 

 ちなみに、世の中に広まる「見た目が六割説」に関しては、スタンダード反社会学パオロ・マッツァリーノ氏が面白い反論をされています。

 「今度の日曜日、朝8時半にJR東京駅八重洲南口に集合。」これを初対面の外国人に伝えてみましょう。なお、この外国人は昨日アフリカから来日したばかりで、スワヒリ語しか話せませんし、あなたは日本語しか話せないものとします。メラビアンの法則に従えば、言葉が通じなくても、しぐさ・表情・声質・身だしなみで伝えたいことの93%を印象づけることができるはずです。

 次に、伝えたい内容をスワヒリ語に翻訳したものを身振り手振りなし、無表情のまま読み上げてみましょう。メラビアンの法則に従えは、この方法だと話の内容は7%しか相手の印象に残らないはずです。

 さて、来週の日曜日に東京駅に来てもらえそうなのは、どちらの方法でしょう。

  反社会学講座 第9回 ひきこもりのためのビジネスマナー講座

 

 言われてみればその通りですねw

 

反社会学講座 (ちくま文庫)

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続・反社会学講座 (ちくま文庫)

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 いかがでしたでしょうか。

 反抗期の青少年の皆さんは、もしこういうことを言ってる大人達を見つけたら、是非ここぞとばかりに指摘してやってください( `・ω・´)

 

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 以上、間違って広まってる名言集でしたー!