【書評】「アイデアは考えるな。」はビジネス本のくせにポジティブ心理学本みたいな読後感だった
こないだ読んでちょっと面白かった本。
筆者は、ヘンテコな制度やサービスばかり考えることで有名な面白法人カヤックの代表、柳澤大輔さん。
サイコロの出目で給料が増額されるサイコロ給制度とかをやってるあの会社ですw
以下、Amazonの概要紹介。
アイデアを出せないという悩みを持つ人の共通点は、
「すごいアイデア」を出そうとしてしまっていること。
でも、「すごいアイデア」を出している人は、
その何倍も「すごくないアイデア」を出している。
ピカソは生涯2万点の絵を描いた。
バッハは毎週少なくとも1つ作曲していた。
エジソンの死後、メモがびっしり書かれた3500冊あまりのノートが発見された。
まずは「すごくないアイデア」をたくさん出すところから始めよう!
うん、この概要紹介でほとんど全てが表現されてるなww
面白法人カヤックでは、これまでに数多くのヘンテコなサービス・制度を量産してきています。
しかしそれは、とんでもない「一人の天才」がいるから出来ているわけではないのです。
もっと普通のみんなで、普通のアイデアを出し合ってるだけなんだそうです。
ただ一つだけ普通じゃない点は、「アイデアの量」。
「すごいアイデア」とは、最初からポンと出てくるものではない。
「すごいアイデア」とは、幾つもの「すごくないアイデア」を蓄積した先にこそ、初めて生まれるもの。
それが柳沢氏の考え方なんだそうです。
本書ではこの哲学に従い、
等々を、柳沢氏の実体験をもとに語ってくれています( `・ω・´)
本書内で、個人的にとても気に入ったのがこの言葉。
「やりたいことを探すなんてことよりも、自分ができることを楽しんでやることのほうがよっぽど重要」
これ、すごく分かる。
共感できる。
そうなんだよね、今の自分に「出来ないこと」は、どうせ出来ないんだよ。
だから、今の自分でも「出来ること」を、まずはやっていくしかないんだよ。
だけど昔の僕はすごく愚か者だったから、今の自分に出来ない何かばかりを求めていた。
その結果、失敗ばかりを繰り返して、そんな自分に自己嫌悪して、それでもこれを繰り返していけばいつかは出来るようになると信じて無理して頑張ってたけど、結局最後は心が折れちゃった。
気付けば何もかもが嫌になって、怖くなって、何も行動することが出来ない人になっていた。
だけど、ある日思ったんだ。
何故僕は、今の自分を認めてあげないんだろうと?
今の自分を否定して、今の自分に出来ないことばかりやろうとしているから、うまくいかないだけなんじゃないか?と。
だから、変に高い目標を設定するのをやめたの。
今の自分に出来ることだけを、ひたすらやり続けようと思ったの。
そしたら全てが変わった。
自分が出来ることしかしないから、成功体験が蓄積されていく。
その成功体験から、自分に自信を持てるようになってくる。
するとその自信の蓄積から、新たなことに挑戦していく余裕も生まれる。
出来ないことをしようとするのではなく、出来ることをひたすらやっていく。
そういう生き方をするようになってからは、色んな全てが上手くいくようになった気がする。
僕はこれを個人の体験として、なんとなくぼんやりと抱いていたんだけれども、本書を読んでハッキリと明確な言葉として実感することが出来た。
柳澤氏の前向きな思考法、良い意味で「変に高みを目指さない考え方」は、すごく勉強になる。
本来この書籍は、「アイデアを生み出す方法」を学ぶためのビジネス本なんだけれども、僕にとっては「前向き思考になるための自己啓発本」のような感覚で読めてしまった。
そして、どれもすごく納得できる内容ばかりだった。
というわけで、「アイデアを生み出す方法」を知りたい人にはもちろん、
「いつもネガティブ思考で前を向けなくて行動を起こせない自分に悩んでいる」
という人にも、是非読んでもらいたい。
そんな良書だった。