兵士として活躍したクマさん「ヴォイテク」くん
僕は第二次世界大戦が好きです。
この時代は、人種差別・原爆・大量虐殺など、今では信じられないような狂気に満ちた話があるのも確かですが……
同時に、やはり現代では信じられないような温かい物語もたくさんあるのです。
第二次大戦の時代、
イランで、母親を亡くしたヒグマの赤ん坊が発見されました。
現地の少年はそのヒグマの赤ん坊を、ポーランド人の難民グループに缶詰と交換で渡しました。しかし段々大きくなって来たヒグマさんは、ポーランド人グループの手にも余るようになり、最終的にポーランド陸軍が引き取りました。
ヒグマさんはヴォイテクくんと名付けられ、ポーランド軍第2軍団・第22弾薬補給中隊のマスコットとなりました。
ヴォイテクくんは、部隊と共に各地を渡り歩きました。
南イタリアに入る際には、軍規上、野生動物を輸送船に入れることが出来なかったため、22中隊のみんなでヴォイテクくんに「伍長」の階級を与え、「彼は僕たちの部隊の一員だ」ということで、なんとか乗船を認めてもらいました。
実際、ヴォイテクくんはとても賢いクマさんでした。
ある日ヴォイテクくんは、「僕にも運ばせて」と言わんばかりに突然みんなの前で前足を出してきたそうです。
兵士が実際に弾薬を運ばせてみると、ヴォイテクくんは一度もそれを落とすことなく、ちゃんと運んだそうです。それが終わると再び戻って来て、「次は何を運ぶの?」と言わんばかりに、また前足を出したそうです。
ヴォイテクくんは、夜になると兵士たちと同じキャンプで眠ったそうです。
ヴォイテクくんは、ビールとタバコが大好物だったそうです。
ヴォイテクくんは、いつの間にか兵士の敬礼まで覚えたり、怒られると顔を前足で隠したり、どんどん人間らしくなっていきました。
第二次世界大戦という狂気の時代に生まれた、不思議な心温まるエピソード。
僕はこの話がとても好きです。
Wojtek the Soldier Bear - WWII - YouTube